レグルスのヒナ7
※レグルスのヒナZ※
「ごめんね、山本」
「気にすんなって。獄寺のヤツも帰ったようだし、俺もこれからバッティングセンターにでも行って打ち込んでくるからさ。また学校でな」
折角、山本に来てもらったが『つな』父親探しのため帰ってもらうことになった。
もちろん父親探しとは山本には言っていない。
(きっとさっきのリボーンの話も冗談だと思っているはずだし)
山本を見送った後、奈々が
「ランボちゃんも獄寺君も泣きながら出て行ったけど大丈夫かしら?」
と綱吉に話していたがリボーンは
「さぁな、腹が減ったらそのうち帰ってくるだろ」
「ペット扱いかよ!!」
やっぱり獄寺が不憫でならなかった。
奈々に外出する旨を告げ、綱吉とリボーンそして『つな』は外へと繰り出した。ちょっと日差しがきついので『つな』の頭にはタオルを被せてあげる。
とてとてと道を歩きながら綱吉はリボーンにとある疑問を口にした。
「でも、リボーン。何でそこまで父親を探そうとするの?」
「決まってるだろ。オメーだけじゃ頼りないんで父親にも子育てに参加してもらうからだ」
「はぁ〜?何だよそりゃ。それに子育てに参加してもらうって一体」
「もちろん、オメーとつなが父親の家に泊めてもらうんだぞ」
「んなっ!何でそうなるんだよ!!」
「オメーのウチはアホ牛やら何やらで安心して子育てができる状況じゃねぇだろ。それに赤ん坊の夜鳴きはゴメンだぞ」
「お前、明らかに後者が本音だろ」
綱吉はリボーンの勝手な考えに色々と異議を唱えたかったが、経験上それはムダだと悟った。
ただ、父親が分かったところで、その人が家に泊めてくれるか分からない。そもそも中学生にして自分に子どもがいることを認めるだろうか?
その時は流石のリボーンも諦めるだろうと綱吉は考えていた。
「で、どこに向かってるんだよ」
「了平の家だぞ」
「了平って…京子ちゃんのお兄さん!!あり得ないって、あの人ボクシング以外興味なさそうだし」
「そんなの会ってみねぇとわかんねぇだろうが」
会ってみなくてもわかるような気がするが、この黒衣の赤ん坊は言い出したら聞かない。
「うう〜、京子ちゃんに見られたらなんて言ったらいいんだよぉ」
「どうかしたの?ツナ君」
「へ?」
ぱっと顔を上げて目の前を見ると京子が立っていた。
(ああ、京子ちゃんの私服姿もかわいいなぁ〜って違う!!)
「ど、どうしたの京子ちゃん!こんなところで」
「うん、今日はハルちゃんとケーキを一緒に食べに行くのに待ち合わせしてるとこなんだけど。かわいい〜、この赤ちゃんツナ君の親戚の子なの?」
どうやら話している途中で綱吉が抱いている赤ん坊に気が付いたらしい。以前にもリボーンに可愛いと言っていたような記憶が綱吉にはあった。どうやら赤ん坊のような小さな子どもが好きらしい。
「ああ、うん親戚…みたいなもの」
「ツナ君そっくりだね。ツナ君の家小さい子がいっぱいいるから、いつもハルちゃんと羨ましがってるんだよ」
(はは、見た目ほど可愛い子どもは少ないけどね)
「あっ!いけない。待ち合わせに遅れちゃう。じゃあツナ君また」
時計を見て急ぎだした京子を綱吉は慌てて引き止めた。
「あ、ごめん京子ちゃん。今日はお兄さんは家にいる?」
「?お兄ちゃん?お兄ちゃんは今日は部活の練習で学校に行ってるよ」
「学校…ありがとう京子ちゃん。じゃあ、気をつけて」
「うん。ありがとう」
急いで走り去る京子の背中が消えるまで綱吉は見ていた。そして溜め息をつく。
「良かったな、途中で京子に会えて。このまま了平ン家に行ってたらとんだ無駄足を食らうトコだったぞ」
綱吉としては、そこは喜ぶところなのか悲しむところなのか分からなかった。
とりあえずもう一つ溜め息をついた。
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