レグルスのヒナ6


※レグルスのヒナY※


 


『つな』の一言により立派な生ける屍と化した獄寺に綱吉は慰めの言葉を探していたのだが、上手い言葉が出てこない。
リボーンはそんな獄寺にさっさと見切りをつけたようだ。


「じゃあ、次を当たるぞ。さっさと出かける準備をしろ」
「え?出かけるって…」
「あのアホ牛のせいでもう守護者の写真はねぇんだ。だったら直接会って首実検しかねぇだろ」
「そんなぁ〜」


「情けない声をだすな」とリボーンに一喝され綱吉はしぶしぶ立ち上がり、スリングを着けた。まだ歩けない『つな』を連れて行くにはやっぱりそのスタイルが一番ラクなのだ。
慣れていない為、着用するのに時間が掛かったが一応『つな』を抱くことは出来た。


「じゅ、十代目、お供いたします」
「ダメだぞ」


いつもから比べるとかなり淀んだ声で獄寺が綱吉に声を掛けたがそれはリボーンよって一蹴された。


「な、何故ですか!!」
「今のオメーはつなの父親が分かったら何するか分かんねぇ。それにそんな状態のオメーは犬以下だぞ」
(うわっ、きっつー)
「犬なら犬らしく十代目に相応しい犬の頂点を目指しやがれ」


その言葉に獄寺は涙目になりながら目を逸らす。


「十代目、すみません。今の俺はあなたのお役に立てないようです。ですが必ず!必ずや立派なあなたの犬になってみせますからぁぁあああああああ」


泣きながら出て行った。
少し…いや、かなり可哀想だと綱吉は獄寺に同情しながら『つな』をみた。
『つな』はきょとんとした顔で獄寺が去ったほうを見て、そして綱吉を見上げた。
(あ〜、うん、つなは悪くないよ…多分)
そう思いながら『つな』の頭をなでて溜め息を一つついた。


 


「なぁツナ。今、獄寺が泣きながら走って出てったけど何かあったのか?」
「や、山本!!」


いつの間にか綱吉の部屋のドアの前には山本が立っていた。
「わりぃ、寝坊した」と少し笑いながら山本は言った。


「獄寺は『守護者対抗父親争奪戦綱吉杯』で負けた自分を不甲斐なく思って修行に行ったんだぞ」
(はは、トドメを刺したのはリボーンだけどね)
「へぇ、面白そうだな。俺も参加させてくれよ」
「いや、全然面白くないから」
「ルールは簡単だ。その赤ん坊から父親と呼ばれれば勝者だぞ」
「相変わらずオレの意見は無視なのね」


綱吉は勝手に話を進めるリボーンにツッこむ気力も失せてきた。
一方山本は、リボーンが指名した赤ん坊『つな』をマジマジと見ていた。


「ツナにそっくりなのな。ははっ、そうしてるとマジで親子みたいだな」


実はマジで親子なんですとも言いにくい。きっと言ったところで山本はサラリと受け流してしまうだろう。
そして肝心の『つな』は山本をジッと見た。そして手を伸ばす。


(えええええ!!もしかして山本が父親なの!!)
「ちゃけ、ちゃけ」
「…ちゃけ?」
「どうやら、『タケ』と言いたいみたいだな。まだハッキリと発声できないようだぞ」


『タケ』は山本武の『タケシ』が『タケ』になったようだ。もうこうなると先ほどの獄寺が不憫でならない。


「あはは、残念だな。で、この赤ん坊ってツナの親戚の子?」
「あ〜、うん、そんなトコ」
「俺もこんな可愛い子どもが欲しいな」
「山本の子どもならきっと可愛くてカッコイイ子だろうね」
「ん〜、俺としてはツナ似の子どもが欲しいんだけどな」
(?どういう意味だ?)


綱吉の頭の上には幾つもの?マークが浮かんでいた。
何故か後ろでリボーンが溜め息をついた。
綱吉は益々分からないといった顔をしたが、誰も綱吉の疑問に答えるものはいなかった。


「ふ〜、山本も脱落と」


山本の名前の上にバツ印が刻まれた。


 


※あとがきみたいなもの※
う〜ん、やっぱり獄寺が不憫すぎた。


 





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